AIサービスのテスト 概要 2025年7月にリリースされた Claris FileMaker 2025で強化されたAI機能のうちローカルLLM「AI モデルサーバー」を少し試したいと思います。 参考資料 Claris FileMaker 2025 のご紹介 - AI - https://community.claris.com/ja/s/article/Claris-FileMaker-2025-ai-ja Claris FileMaker 2025 のご紹介 - AI - 続編 https://community.claris.com/ja/s/article/Claris-FileMaker-2025-ai-next-ja 安全・安心に AI を利用するためのローカル LLM 環境: Claris FileMaker 2025 - AI 活用 https://www.claris.com/ja/blog/2026/filemaker2025-ai-local-llm 社内文書の情報検索に活用できる RAG ( 2 )利用編: Claris FileMaker 2025 - AI 活用 https://www.claris.com/ja/blog/2026/filemaker2025-ai-rag2 ChatGPT を使うように AI に質問・指示: Claris FileMaker 2025 - AI 活用 https://www.claris.com/ja/blog/2026/filemaker2025-ai-generate-response-from-model 独自の AI モデルサーバーの運用 https://support.claris.com/s/answerview?anum=000048414&language=ja 動作環境 他のローカル LLM に比べて少しハイスペックな環境が必要なようです。 (FileMaker Server機能も有るためなのか、単にAIサービスのパフォーマンスの問題なのかは未調査です。) 以下の記事の内容を抜粋しています。 安全・安心に AI を利用するためのローカル LLM 環境: Claris FileMaker 2025 - AI 活用 2026 年 05 月 13 日の記事 https://www.claris.com/ja/blog/2026/filemaker2025-ai-local-llm AI を動作させるためには以下の動作環境が最小スペックとなります。 捕捉 : 使用するモデルにも左右されます。 環境が弱いと AI モデルをダウンロード出来ても応答速度が極端に遅く成ったり、ロード時にメモリ不足のエラーが表示されて実行が不安定となったり出来なくなったりとなります。 「テキスト / イメージ埋め込み」時 Windows および Ubuntu CPU: Intel Xeon または AMD Zen 4,5 シリーズ、 AVX2 または AVX512 RAM: 16 GB macOS CPU: Apple シリコン RAM: 16 GB 「テキスト生成 / ファインチューニング」時 ( ファインチューニングは Apple シリコンのみで使用できます。 ) Windows および Ubuntu CUDA GPU が必須 CPU: Intel Xeon または AMD Zen 4,5 シリーズ、 AVX2 または AVX512 GPU: Nvidia RTX4090 または Nvidia A10 、合計 32GB 以上の VRAM RAM: 32 GB macOS CPU: Apple シリコン Ultra RAM: 64 GB 今回のテスト環境 手持ちの次の macOS 環境でテストします。 macOS Mac mini 2023 CPU: Apple シリコン M2 RAM: 24 GB macOS: Sequoia 15.7.5   AIサービスの関係図 FileMaker の AI サービスを実行するための関係を簡単に図示してみました。 この図は、今回テストし結果を元に作成した物です。 FileMaker の AI サービスは、 FileMaker Server 上でローカル LLM を実行出来るサービスを提供します。 この AI サービスは、 FileMaker Pro アプリのスクリプトから呼び出して実行します。 AI サービスのローカル LLM で使用するモデルのダウンロード先として使用する Hugging Face サービスから Access Token を使用してモデルをダウンロードし、ロードして使用できるようにします。 最終的に、ローカルLLMをFileMaker Pro アプリのスクリプトから AI サービス キーとモデル名を使用して、エンドポイントへ要求し結果を取得します。 Hugging Faceへの登録 Hugging Faceサイト FileMaker Server 2025 のローカル LLM 機能(AIサービス)を使用するためには Hugging Face サイトから公開されているモデルをAIサービスからダウンロードする必要が有ります。そのために Hugging Face サイトの登録を先にしておきます。 Hugging Face ( ハギングフェイス ) サイト https://huggingface.co/ アカウント登録 「 Sign Up 」ボタンを押して登録を開始します。 電子メールアドレスとバスワードを設定して「 Next 」ボタンを押します。 プロファイルを登録します。 なんか、確認が。。。。 「開始」ボタンを押と再度。。。 「 Please check your email address for a confirmation link 」に従って電子メールから確認します。 Web ページの「 Confirm 」ボタンを押して確認します。 Access Tokensの作成 アクセストークンを作成します。 ユーザー ICON をクリックしてメニューから「 Access Tokens 」を選択します。 「 Create new token 」ボタンを押して作成します。 Token type を「 Read 」にして「 Token name 」に「FMServer」と入力して「 Create new token 」ボタンで作成します。 今回の FileMaker Server 2025のAIサービス 向けのモデルはダウンロードのみなので「 read 」にしています。 生成したToken を Copy します。このTokenを使用してFileMaker Server 2025のAIサービスからモデルをダウンロードします。 追加された Token が一覧に表示されます。 AIサービスの設定 使用するモデルを FileMaker Server 2025のAIサービス に登録する手順を説明します。 設定 FileMaker ServerのAdmin Consoleにログインします。 (注意: adminとしてローカルアドレスで接続します。) 例:http:// 127.0.0.1 :16001/admin-console 127.0.0.1などのI IPアドレスから でアクセスすると他の設定 ( 主に URL) に影響が発生する場合があります。 ローカルドメイン時は「 http://a10-macmini-2023.local:16001/admin-console 」とかのドメイン名でアクセスします。 今回のテスト環境では、ローカルアクセスのIPアドレス「 127.0.0.1 」でテストしています。 管理者「admin」でログインし「 AI サービス」を選択します、 モデルサーバーを設定 モデルサーバーの「状態」チェックボックスを「 ON 」に変更します。 設定ダイアログ「モデルサーバーを設定」が表示されます。 内容に従って設定を実施します。 1.Miniforgeに移動します。 WebブラウザからのURL: https://github.com/conda-forge/miniforge/releases 指定された「 Miniforge3-26.3.2-2-MacOSX-arm64.sh 」をダウンロードします。 「モデルサーバーを設定」ダイアログの「参照 ... 」ボタンを押して「 Miniforge3-26.3.2-2-MacOSX-arm64.sh 」を選択し「アップロード」を選択します。 「モデルサーバーを設定」ダイアログの「ファイルをアップロード」ボタンを押してアップロードします。 しばらくすると処理が実行された後、ステータスが「準備中」から「実行中」へ変更されます。 サーバー構成の「アクセスにはAPIキーが必要」をONとします。 起動すると左側には新しいメニューが追加されます。 ・モデル ・ファインチューニング済みモデル Hugging Face からモデルをダウンロードするためにモデルサーバーの「   トークン」項目に Hugging Faceで作成した「Access Token」 登録します。 ここまでで、モデルをダウンロードする準備が整いました。 APIキーの作成 FileMaker Server の AI サービスに外部からアクセスするための API キーを作成します。 捕捉 : ここで生成されたキーは FileMaker スクリプトでAPIキーとして利用します。 左のメニューから「キー」を選択して「キー」画面を表示します。 「キーを作成」ボタンをクリックして新しいキーを登録します。 名前: AIKeyTest サービスへのアクセスを許可: テキストおよびクエリー生成 有効期限: 6ヶ月 を設定して「保存」ボタンを押して登録します。 APIキーが表示されるので コピーして保存 してください。 注意 : APIキーは一度しか表示されないので注意してください。 捕捉 : 捕捉 : ここで生成されたキーは FileMaker スクリプトでAPIキーとして利用します。 サーバー構成の設定 サーバー構成の「アクセスにはAPIキーが必要」をONとしてAPIキーを利用するようにします。 モデル設定 左のメニューから「モデル」を選択して、モデル画面を表示します。 デフォルトで登録されているモデル一覧が表示されます。 モデルの「名前」は、 FileMaker スクリプトで使用します。 モデル一覧のモデルは未だ 1 つもダウンロードしていません。 マシンにダウンロードと実行可能な場合の表示例 : 「 ! 」稼働しているマシンでのメモリ不足表示例 : モデル操作 使用するモデルを「ダウンロード」ボタンを押してダウンロードします。 今回はテキスト生成用のテスト AI アプリを作成するので、次のモデルをダウンロードします。 google/codegemma-7b-it ダウンロードが完了したらモデルを「ロード」します。 既に「ロード」しているモデルが有るとと次のメッセージが表示されます。 今回のテストでは最終的に「 mlx-community/codegemma-7b-it-8bit 」を使用します。 「 mlx-community/codegemma-7b-it-8bit 」に関しては、後の文書で説明します。  モデルのダウンロードに失敗 モデルをダウンロードするときに次のメッセージで失敗する場合が有ります。 今回は、 Hugging Face に登録されているモデルの認証 ( 許諾 ) で許可されていない事による物です。 以下の手順で「 google/codegemma-7b-it 」の許諾をします。 Hugging Face サイトのモデルから「 google/codegemma-7b-it 」を検索します。 「 google/codegemma-7b-it 」ページの「 Acnowledge licence 」 ( 利用許諾 ) ボタンを押して、許諾を完了します。 「 Authorize 」 ( 承認 ) ボタンで承認します。 チェックし「 Accept 」します。 「 google/codegemma-7b-it 」ページに戻り承認は完了します。 モデルの使用許諾を承認すると FileMaker Server のモデルダウンロード時の警告は無くなりダウンロードが出来る様になります。 AIサービス実行の準備 FileMaker Pro から FileMaker Server の AI サービスを利用してチャットアプリ ( テキスト生成 ) のテストを実施する準備をします。 接続情報の整理 今回のチャットアプリの環境として次の情報をまとめます。 AIサービスへの接続情報 エンドポイント: "https://192.168.1.58/llm/v1/" キー: FielMaker Proテストアプリの接続情報 接続アカウント: "testUser" モデル: "google/codegemma-7b-it" エンドポイントの取得 AI サービスへの接続情報   > エンドポイント の取得 FileMaker Server の AI サービスのモデルサーバーのエンドポイント 表示は「 https://127.0.0.1/llm/v1/ 」となっています。ここでの IP アドレスは外部からはアクセス出来ないので「構成」画面からサーバー機に割り当てられている IP アドレスを取得します。 「構成」画面での一般設定では 2 つのエントリポイントの候補が有ります。 サーバー名: A10-Macmini-2023.local サーバーIPアドレス: 192.168.1.58   192.168.1.155 今回は IP アドレスを使用します。 このデバイスでは インサーネットアドレス : 192.168.1.58 WiFi アドレス : 192.168.1.155 の 2 つが存在します。 インサーネットアドレスを使用して最終的にエンドポイントを次のように決定します。 https://192.168.1.155/llm/v1/ キーの取得 AI サービスへの接続情報   > キー の取得 AI サービスのキー / キーを作成時に取得したキーです。 eyJhbGciOiJSUzI1.......< 略 >............hFRURWgzA 接続アカウントの取得 FielMaker Pro テストアプリの接続情報   > 接続アカウント の取得 今回は "testUser" を使用します。 チャットアプリでは特に使用しませんが、 AI サービスへのアクセス時に使用します。 モデルの取得 FielMaker Pro テストアプリの接続情報   > モデル の取得 今回使用するアプリではテキスト生成するための「 google/codegemma-7b-it 」を指定します。   テストアプリの制作 FileMaker Server に実装されている「 AI サービス」をテストするための FileMaker Pro の簡単なアプリを制作しました。 「AIチャット.fmp12」 ダウンロード 動作 入力フィールド「チャット」に質問を入れて「チャット」ボタンを押と、 AI サービスから回答が得られます。 新しいレコードにその内容を保存して、次の質問を待ちます。 サンブルアプリの概要 2 つのテーブル AI チャット : チャットを保存 AI チャット接続情報 : AI サービスの接続情報を保存 スクリプト一覧 最初の起動 アプリを起動すると接続情報を設定することを促す「接続情報を設定してください。」ダイアログが表示されます。 「 OK 」ボタンを押して設定画面を表示します。 レコードを作成します。 AI サービス接続情報を入力します。 AI サービス実行の準備 で取得した以下の情報を入力します。 エンドポイント https://192.168.1.155/llm/v1/ API キー eyJhbGciOiJSUzI1.......< 略 >............hFRURWgzA 接続アカウント testUser モデル google/codegemma-7b-it   動作テスト AI チャット画面に移動して何か質問してみます。 今回は単純に「テスト」と入力して「チャット」ボタンを押します。 エラーが表示されました。 「 OK 」ボタンで確認すると、新しいレコードに AI サービスの結果が保存されます。 [LLM] error. Reason: HTTP response code said error: 502 スクリプトの問題では無く Server の AIサービス側 に問題が有り応答出来ないようです。 色々と調べたりテストした結果、現在のモデル「 google/codegemma-7b-it 」では、現在の環境である Mac mini 24GB では、メモリ不足で正しく動作しないようです。 24GB の RAM で動作するためにもっと軽量をダウンロードしてロードします。 mlx-community/codegemma-7b-it-8bit AI チャットの AI サービス接続情報のモデル名を修正します。 mlx-community/codegemma-7b-it-8bit 再度テストを実行します。 応答が正常に戻りました。 新しい問い合わせをしてみました。 返答までの時間が 50 秒以上もかかっています。おそらく FileMaker Server の AI サービスの環境をアップグレードすると良くなるのでしょう。 もう一つ、返答が「マークダウン( Markdown )」形式で行われています。 スクリブトを修正して、以下の指示を追加して回答をプレーンテキストにします。 AI チャットスクリブとの内容に変数「 $ 指示」を追加し「モデルから応答を生成」に「指示」に $ 指示を与えます。 " 回答はプレーンテキストのみとする。 見出し( # )、箇条書き( - や * )、太字( ** )、コードブロック( ``` )、リンク記法は使わない。 前置き・挨拶・「以下に~」などの説明文も不要。 本文だけを日本語の通常の文章で返す。 " 実行結果 完全に修正することは出来ませんでしたが、結果から「マークダウン( Markdown )」内容が少し緩和された内容で返答が出来ました。 以上で、 FileMaker Server の AI サービス ( ローカル LLM) をテストしてみました。